和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

花をうたう。

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花ニ首


今日、5日は二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」です。
いつもの年ですと梅の花を見ると、何となく来るべき暖かくなる春に向けて期待がふくらみます。梅が咲いたら、今度は桜の開花はいつごろかと気にもなるものですが、今年は少し様子が違います。
思いもよらなかった新型コロナウイルスの感染拡大、その防止のためイベント、スポーツなどに中止や自粛の動きがあります。
そして昨日は東京都からはお花見の宴会自粛の要請がありました。
梅のほうが一足先に咲くからか、その美しさは“凛とした”というような、クールで引き締まったイメージがあります。一方桜の美しさは“華やか”という形容詞がぴったりなようです。
美しさの上では、どちらも甲乙つけがたしでしょうが、どうしても桜は、万事派手好きの太閤秀吉が醍醐の花見を行って以来、わいわいがやがや集団で見るイメージがあり、梅は一人あるいは小人数で、心静かに鑑賞するというイメージがありますね。
控えめでありながら、底知れぬパワーがある梅、そしてどちらかというと陽気な桜。
さてさて、不安が増すなかですが今年はどんな楽しみ方で春を迎えることができるのでしょうか?

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桜のうた 型染版画 伊藤紘