和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

「第45回記念 染芸展」に行って来ました

先週の金曜日(3月2日)、東京都立産業貿易センターで開かれた「第45回記念 染芸展」に行って来ました。この展示会は、『和楽多屋』サイトの体験教室コーナーに掲載させていただいている「染の高孝」の代表、高橋孝之さんから案内状をいただいたものです。



エレベーターが開き、会場の入り口に立つと、着物や帯の鮮やかな色彩が眼に飛び込んで来ました。その色の美しさ、精緻な筆遣い、絵柄の構成力、どれも手描友禅ならではの世界に圧倒されながら、展示作品を拝見させていただきました。



着物や帯はもちろんのことですが、特に私の目を引いたのは、手描友禅の絵柄を額に入れて、まるで一枚の絵画のようにした作品でした。それらは普通の絵画とはまた違った、手描友禅の特徴を見事に出した一つの美術作品になっているのです。やはり画家と友禅の職人さんの眼は違いますし、表現方法も異なります。それが普通の絵画を見慣れた私にとって実に新鮮に映りました。



会場では、高橋さんの他に、東京都工芸染色協同組合の青年部の方ともお会いすることができました。それぞれ組合の正会員のお弟子さんで、後継者問題に悩みがちな伝統工芸の世界にあって、“期待の星”の方々に違いありません。しかし、やはりそれなりの悩みもあるようで、これから伝統工芸を盛り上げていくために、もっともっとさまざまなメディアを使って、発表やPRを行っていきたいが、なかなか難しいことも多いと語ってくれました。そういった面で、少しでも『和楽多屋』が協力できればいいのになあ、と感じた一日でした。



伝統工芸は古さだけではなく、独自の良さや未来に向けて残すべき価値があるのだと思います。そしてそれらはさらに新しさを取り込みながら、発展していくもののはずです。そういう意味でも、青年部の方々には大いにがんばっていただきたいと思いました。



和楽多屋スタッフ:MORI