和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

「手描き友禅」工房を訪ねる

以前、TVで放映されたことを「パリっ娘」が日本の「染め」にチャレンジというタイトルで9/19ブログで紹介しました。
9/5東京池袋にある全国伝統的工芸品センターにおいて「あお展 東京手描友禅青年部染色作品展」を見て現代の若い青年たちの新しい手描友禅に感動したのが始まりでした。

その後、無性にあの「パリっ娘」が修行した工房を訪ねて、見学とお話をうかがえないかという思いにかられ、電話をかけてしまいました。その工房は新宿の高田馬場にある模様染め・手描き友禅の「染の高考」さんです。お忙しい中を快く時間の都合をつけていただきました。

高田馬場駅周辺は学生街ということもあって行き来する人の多さにびっくりでした。しかし、メインストリートをちょっと、入るだけで下町の路地を思わせる静けさがあり信じられないくらいです。
新宿にはかっては着物の産地として栄えていて、神田川沿いの入り組んだ路地には今でも作家工房、染色工場が点在しています。
「染の高考」さんは、さまざまな染色技法により、着物や帯びを中心に制作している工房です。
お話からは伝統的技法を若手職人さんたちとともに、研究を重ね、さらに多くの人たちにもっと伝えたい。そんな熱い思いがひしひしと伝わってきました。

作品を展示してある小さな展示室に案内され、そこで美大を卒業された若い二人の女性の方にもお会いできました。帯びや着物の本格的な「友禅教室」や我が国最古の「墨流し染め」でオリジナルゆかたを作る体験、それらを通して若い方にも気軽に参加していただき、もっと知ってもらいたいと言っておりました。

展示会ででき上がった華やかな作品を観るのとは対照的にその制作の現場は受け継がれてきた伝統の技など一つひとつの作業が時間をかけて黙々と行われておりました。

スタッフ:SEN