和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

ペットに教えてもらうこと

「和物ブーム」があるのかないのか分かりませんが、「ペットブーム」は相変わらずの勢いのようです。人々はどうしてあんなにペットに惹かれるのでしょうね。ただ、可愛らしさだけなのでしょうか。それとも寂しさを癒してくれるからなのでしょうか。触れ合いをもとめているのでしょうか。

もっとも、ペットと一口にいっても犬や猫などの一般的なものから、触れ合うことの難しそうな爬虫類系や、とてもなつくとは思えないような小さな虫までいろいろいるわけですが…。

「ペットは人間と違って裏切らないから」これはよく聞く理由です。確かにペットは食べ物とねぐらさえ提供すれば、よほどのことがない限り飼い主のもとを去ったりはしません(もっとも逃げ出さないように拘束している場合がほとんどですが)。可愛さあまって多少荒っぽく頬ずりなんてことをしても、嫌がることはまずないようです。けなげなものです。

この“けなげさ”が人間をぐっと惹きつけるんですよね。生きることに真剣というか、人間のように余計な計算というものがありません。さきほど「食べ物とねぐらさえ提供すれば」といいましたが、つまり生きる最低条件で、満ち足りるわけです。これはもう何か仏の教えにさえ通じるではありませんか。もう、人間なんかより、よっぽど悟りの境地にいるのかもしれませんね(^^

まあ悟りはともかく、ペットのこのような生きる原点を思いださせる姿も、人々が惹かれる理由の一つじゃないかなと、思うのです。
それに比べて、和物ショップに関わる私などは、冒頭の「和物ブーム」の到来を密かに願っているわけですから、もう少しペットたちを見ならったほうがいいのかもしれません…

和楽多屋スタッフ:MORI