和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

八百屋お七

うちの近くに円乗寺というお寺があります。このお寺、八百屋お七のお墓があるので有名です。

八百屋お七の話、もしかしたら若い方はもしかしたらご存知ないかもしれませんので、あらすじを言っておきますね。江戸時代に火事で自宅を失ったお七一家は菩提寺である円乗寺に身を寄せたのですが、娘のお七は寺の小姓に恋をしてしまう。やがて新しい家もできて一家は寺を離れることに。おかげでお七とその小姓は別れることになってしまいます。しかしその小姓のことが忘れられないお七はもう一度火事になれば会える思い、家に火を付けてしまう。奉行所の取り調べを受けたお七は、結局火あぶりの刑に処せられてしまうという物語です。

今なら携帯で電話でもメールでもできたのに…と思うかもしれませんが、考えてみれば、若気の至りの恋の間違いなんて今でも山のようにありますよね。禁じられれば禁じられるほど恋は燃え上がるもの。恋はとんでもないエネルギーを持っているものです。犯罪の多くは恋がらみですし、恋のためには、思わぬ行動に出てしまうのが人間というものかもしれません。もちろん犯罪はいけませんが、その情熱やエネルギーをなくして枯れてしまっては人生がつまらないものになってしまいそうです。

ちなみにお七にそこまで思われた小姓は、後に立派な僧侶になったのだとか。心の痛みの経験がその男を成長させたのでしょう。

和楽多屋スタッフ:MORI