雪月花
伊藤紘先生の型染版画の作品に「雪月花」というのがあります。
“雪月花”という文字とそれを表す絵がひとつに調和して、見事な画面構成になっています。
「雪月花」とは、もともと白居易の詩「寄殷協律」の一句です。
琴詩酒友皆抛我
雪月花時最憶君
(琴や詩や酒の上での友達はみな私を離れてしまった。雪や月や花の美しい時には(遠くに離れている)君のことを思い出す。)
もとは中国の詩ですが、日本人はこの言葉が非常に好きで、万葉集やその後の和歌の題材にも多く用いられたようですね。
四季の自然の移り変わりがはっきりしている日本では、特にこの言葉が心にしみいったのでしょう。現代は何かと慌ただしくて、自然を愛でる機会も少なくなってしまいましたが、やはり日本の自然を感じる心を忘れたくはないものです。
和楽多屋スタッフ:MORI