和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

歌舞伎を支える竹工芸

昨日、東京都北区伝統工芸保存会会長の早船福太郎氏を訪ねました。早船氏とは、北区伝統工芸展で、一度『銀工房 こじま』小島様のご紹介でお会いしているので、二度目になります。訪問の目的は、以前、伊藤紘先生のビデオを撮影していただいたMLJ様のクラフトマン第二弾の撮影のためです。

早船氏は竹工芸師で、竹製の生け垣や衝立、その他籠などの小物まで、様々な作品を製作されています。


店内に並ぶ様々な竹工芸

中でも、ちょっとユニークなのが、歌舞伎の舞台に使う草。竹を紙のように薄く削って、草むらの草の代わりにするのだそうです。その厚さ0.3〜0.4ミリ。簡単なように見えて、なかなか技術のいる仕事です。

これ、紙で代用できるかというとダメだということ。ある役者さんの話によると、紙だと草むらの中を歩いたとき、リアルな音が出ない、竹を薄く削ったものでないと真に迫った芝居ができないということでした。

日本の代表的な伝統芸能である歌舞伎を支えているのが、早船氏のような竹工芸師さんだったんですね。意外な発見に、改めて伝統工芸の素晴らしさを感じた一日でした。

和楽多屋スタッフ:MORI