夢二と椿
「木」偏に「春」で椿(つばき)。椿はまさに春の花です。
椿の美しさは昔から人々に愛され、たとえば『椿姫』として小説やオペラになり、日本でも万葉集の時代からよく知られていたといいます。
ただ、散るときに花びらがバラバラに落ちるのではなく、丸ごと落ちるため、武士が首が落ちる様を連想して嫌ったという説があります。しかし、これは幕末から明治にかけて作られた話で、江戸時代には大々的に品種改良が進められるほど、愛された花です。
夢二も椿を愛しました。美人画だけではなく、デザイン力にも優れていた夢二は椿をモチーフにした絵柄や版画の中にも椿を描きました。夢二は椿のどこに魅かれたのでしょう。その美しさでしょうか、潔さでしょうか、はかなさでしょうか…。夢二の絵を見るたびに気になってしまいます。
和楽多屋スタッフ:MORI