和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

自分だけの美術館

私は美術館へ行くのが好きで、好きな作家のものが展示されるときはもちろん、普段でもふらりと寄ってしまうのが多いのです。

特別展や有名な作家の展示会だと、人があふれて、ややもすれば人の頭越しであったり、隙間から作品を覗くことになってしまうこともあるのですが、常設展などに展示されている国宝、重要文化財などを平日の美術館では、じっくりその作品と向き合うことができます。その空気感がとても好きなのですね。これはおすすめです。

絵画を含め美術の鑑賞って、何も美術館には限らないと思います。たとえばふと通りがかったお寺や神社の門構えの意匠が素晴らしかったり、里帰りで田舎の実家で見つけた掛け軸に見惚れることもあるのではないでしょうか。

日本の街は、今や観光地にでも行かない限り、すっかり西洋の街並みと変わらなくなっていますが、それでも、ところどころに“和”を発見したりしますよね。

先ほども言った神社やお寺、そしてビルの隙間にも、昔ながらの日本の伝統木造建築が、まだ残っていたりします。その瞬間はやっぱり、ちょっとにんまりしたりして、あの平日の美術館の空気感が甦ってきたりします…。

街の中で“自分だけの美術館”を発見する…こういうのも楽しみのひとつではないでしょうか。

スタッフ:MORI