和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

そろそろ燗酒でも…

warakutaya2006-09-21


枕草子では秋について「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。まいて、雁などの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。」と書かれてあります。秋はやはり落ち着いた雰囲気が似合うようです。

夕暮れの仕事終わり、そろそろ涼しくなってきたことでもあるし、燗酒を傾けながらお月見、というのも洒落ていていいかもしれません。

よく「お銚子もう一本!」なんておかわりをしますが、お酒を入れる器には、徳利というのもありますよね。銚子と徳利、どう違うのでしょうか。

実は、徳利はひょうたんを象った酒器のことで、居酒屋などで出てくるのはたいていコレです。一方銚子は、もともと柄のついたつぎ口のある酒器のことだそうです。結婚式の三三九度で使う急須のような器が銚子なんですね。

もう一つの代表的な酒器である盃もいろいろ種類があります。材質も陶器や磁器、漆など、いろいろありますが、結構こだわりたいのは、その形。口がラッパのように広がっているものと、まっすぐな筒状のものとでは、味が変わるのだそうですよ。舌はその場所によって、甘・酸・辛・苦・渋を感じる場所が違うとか。盃の形によって、口の中に含んだとき、広がり方が違うため、微妙にその味わいが変わるのだそうです。ちなみに私はラッパのように広がっているものが好みです。というのも、さっと舌全体に酒が広がり、酒のすべての味をバランスよく味わえるような気がするから…。でも、これって気のせいかもしれませんが…(^^;

まあ、好みは人それぞれ。あなたの好みの器で、風流なお酒を楽しんでください。

スタッフ:MORI