和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

亀戸大根(かめいどだいこん)

ここは、亀戸。タイトルは、街でみかけた「和」になるのか、ぶらり通勤途中下車で書く内容なのかどちらとも言えませんが、蔵前橋通りに面し、明治通りと交差するところに割烹料理のお店「升本」さんがあります。通りからその店の玄関(入口)を見ただけで誰でも一度はこの暖簾をくぐって食事をしたいと思うことでしょう。通勤の帰り道、写真を撮らせてもらいました。

江戸の頃からこの地で栽培された亀戸大根、別名はお多福大根と言うそうです。大根といえば、青首大根が主流、三浦大根、練馬大根、櫻島大根が有名ですが、古くから庶民に親しまれていたという「亀戸大根」は今、忘れられようとしています。
根が30センチほどの小ぶりで葉が柔らかいのが特徴で、現在では幻の大根といわれているそうです。私は味は定かではないが近くに住んでいたこともあって名前だけは良く知ってました。妻に聞いたら亀戸天神なら知っているが亀戸大根は知らないとのこと。私の周りの人に聞いてもほとんどの人は知らなかった。

この珍しい「亀戸大根」を契約農家で有機栽培、さまざまな料理として食べさせてくれるのが「升本」さん。ここからあまり遠くではない深川にはあさりを使った深川めしが有名だけど、「升本」さんには江戸野菜の「亀戸大根」と新鮮な江戸前のあさりを使う「亀戸大根あさり鍋」というのがあります。
もう30年以上も前になると思うが店に入ったことがあり、味わったはずなんですが、その味を思い出せないでいます。忘れた味、再びと言うところです。

ついでですが私はおでんの具のなかでは大根が一番好きです。大根おろしもほとんど毎日食べています。大根役者、大根足などいろんなたとえなどもありますが、「大根」は捨てるところがなく、栄養も豊富で大変庶民的な野菜です。
「お世話になってます。ホントにあんたはエライ!」と褒めたくなります。

写真を撮らしてもらっていいですかとお伺いすると、どうぞ、どうぞと見るからに人の良い店長さんニコニコ笑いながら応えてくれた。気楽に入れるいい感じのお店です。ついでにお店の電話も書いちゃいます。03-5609-1898
JR亀戸駅からあるいても10分かからない場所です。そこから亀戸天神も歩いてすぐの所にあります。

蔵前橋通りを挟んだ「升本」さんの真ん前には「江戸切子」の「彩り硝子工芸」というお店があります。こちらは4チャンネル、本物の「ぶらり途中下車の旅」で森末慎二さんにより紹介されるなど、伝統工芸「江戸切子」の製造、販売する素敵なお店です。「見学自由」とあり、一度お訪ねし、お話が伺えればと思っています。

スタッフ:SEN