和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

新鮮な心でした

涙が出ました。こんな新鮮な気持ちで映画!を見たのは何時だったのか、忘れていました。
9月30日(土)。前のブログで紹介が有りました、「木版染め}職人 藤本義和・哲生さん親子のドキュメントが青山で有りスタッフの人と行って来ました。
何人位来るかと思いしや、会場は満員でした。250人の席では足りず補助席が追加されていました。
今の時代、「物を創る」と言うことがいかに忘れているのか、時代を継いで行かなければならない、日本の良さを知ってほしいと何時も思っている人がいかに多いのか、改めて知らされた時間でした。
「職人」と「作家」の違い。知っていますか!職人は作品の中に入っている気持ちが違う。作家は飾り、職人は創って見せて使われる物、残していく物、創り続けるもの。と藤本さんは言っています。
「職人は表に出さない、身体に自然に覚えさせていく。」
木版の仕事は地味である、人生の節目の時、よき先輩が父であった。
「お前なら出来る」父の励みが有ったから、いまの自分があると藤本さんは言う。
今では殆んどされることが無くなった「木版染め」自ら研究を重ね自分の物にした。
ひたすら一日中判を押し続ける作業。藤本さんは、「疲れません、物を創る事が楽しい、いや楽しんでいます」と言っています。「技を守り続けてきた時間」「生きてきた時間」が工房の呼吸となって表現されていました。
何か自分に照らし合わせて見た場合自分は何が残せるのか、恥ずかしい気持ちが涙に変わっていました。
会場の出口で藤本さん親子の作品を監督の女性が鮮やかに着こなしていた。素晴らしいの一語でした。
今回のイベントを紹介して良かった、と思います。

追伸…会場の出口で自分の名前を呼ぶ人がいました。なんと先日紙漉き体験に行って来た時の先生でした。
なんでこんな所で!日本の伝統を守っていく人達が集まっているいるとのこと、納得ですね。
先生も「彼方なら絶対来るだろう」と会場の出口で待っていたようです。人間の出会いは大切にしたいですね。
スタッフ・浅草のボーイ