和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

手創り和紙体験記(第2話)

「手漉き和紙」体験続きです。
紙創りは全部で72の工程に分かれているという!すご〜い。
でも、私達初心者は最後の方である7工程位でしたが、それでも大変でした。

まず、紙の元である「コウゾウ」と言う樹木(一般にはミツマタを使用)を一定の長さに切り、その樹木から木片を削ぎ、煮る、洗浄する。外側の皮を剥ぐ、これが単純であって大変重要な作業の一つです。

この時にきれいに剥ぐ事をいい加減だと、後の紙になるとき不純物が残るのです。3人共真剣ではあるがあまり手際良くない事を自分に言い聞かせている!なんで〜こんな事、しゃくにさわるな〜。このやろう〜なんてね!!
でもきれいに出来れば先生も良いよ、とおせいじにも言ってくれますので一安心です。
次はもっと力仕事です。先生手作りの桜の樹木の太い丸太を四角に切った台座に、先ほど剥いだ皮をマトメ、これまた桜の木で作った重く四角いバットの様な物で樹木を叩く、両手で強く叩かないとダメ出しです。

「ひたすらたたく繊維状に成るまで強くたたく。」三人で順に叩く、これが田村先生独自の伝統を守っていく作業の一つです。「たたけば紙になる」ひたすら、ただひたすら叩く……。集中力を要します。この工程が強い和紙の大事な作業です。
しかし、田村先生は「たたく」孤独な作業に精神を集中しながら、また、良い紙が出来ますようにと言いながら、紙漉きの唄!を唄ってくれました。良き時代の風景が浮かんできます。素朴なそれでいて、たたく作業の心臓の鼓動に合わせた、素晴らしいリズム!だと思いました。三人は黙って聞き入っていました。

伝統を守って行く事ってこ〜なんだ。と、一人感動に浸っていました。
第3話続く (これからはもっと大変な作業が待っています。)

スタッフ(浅草のボーイ)