和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

骨董市にて

先日、国際フォーラムの下で催されている骨董市に行ってきました。いや正直に言うとそれが目的で行ったわけではなく有楽町近辺を歩いていたらたまたま催されていたのです。有楽町界隈を歩いているとわりとよく見かけるので頻繁に催されているのかもしれません。漆器から着物、浴衣、浮世絵などが所狭しとそれぞれ割り当てられたスペースに陳列されています。着物を綺麗に小さく切って色んな和模様の布なども売っていました。これを縫い合わせると格好良い和模様のパッチワークができるんだろうなぁなどと思ったりしました。もちろんそんな器用な技術など無いのですが。あれこれ眺めているとずいぶん外人の方が多いのに気付かされます。ルーズリーフに綺麗にファイリングされた浮世絵を持ってそのスペースの店主さんと記念撮影をしてたりしました。外人の方から日本の絵や文化などはどう受け取られているのだろうか?とちょっと興味が湧いてきます。ゴッホが浮世絵に強く感銘を受け自分の絵に取り入れたりしたのは有名な話ですよね。日本画や浮世絵などを見てると日本人というのはわりと写実的に表現するよりデフォルメしたりして二次元的な表現を多様しているように思います。現代に至っても漫画やアニメなどにその傾向が顕著に現れていますよね。アメリカ製のアニメは今やCG技術を駆使した3Dが主流だし、コミックもあちらで出版されてるものは写実的な表現が主流なようです。一方日本は宮崎駿監督がCGをあまり使わない事で有名ですし、今でも2Dものが主流のようですね。漫画のキャラクターなどもかなり極端にデフォルメしいますし最近ニューヨークのオークションで100万ドルで落札され一躍有名になった現代アーティストの村上隆氏も日本人特有のユニークなデフォルメ表現で認められたのだと思います。それぞれの民族性で好きな色彩や形などが随分違うのでしょうが、そういう好みの傾向というのは日常生活の中から生まれるものなのでしょうか?それとも風景や四季、自然環境などとの調和によるものなのでしょうか?いずれにせよ自分達が普段当たり前と思っている色彩感覚、色の取り合わせなどが異文化圏から来た人には驚きと興味をおぼえるようで、その様を見てる僕も日本伝統文化とは何なのか再考したくなる一日でした。

スタッフ:S.K