和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

袖触れあって、眞葛香山を知る。

会社前の交差点で、本当に良く会う人がいます。
10日に一度くらいか、あまり頻繁に会うと「良く会いますね」と自然に声がでるものです。それをきっかけに、それから後は「こんにちは」となってきます。
さらに、「それにしても良く会いますね」となってきて「会社はどちらなんですか」となってくる。そして名刺の交換、その後も度々会うわけですから、お互い気が会えば、今度伺いますよとなってくる。
こうなってくると今度は立ち止まっての話は5分を超えることもあります。
そして、その方から教えてもらったことは帝室技藝員、眞葛香山(まくずこうざん)という明治から昭和初期にかけて活躍し、我が国の近代陶磁史に大きな足跡を残した横浜の陶工のことでした。そして実際の豪華作品集を見せてもらいました。
私は知らなかった。
こんなに凄い人がいたんだということ。正に他の言葉はいらない「凄い」の一言です。
先日、三井記念美術館で開催された「楽茶碗」の特別展にいってきました。「楽焼」茶の湯のことは全く世界が違うと思っているのだけれど、千利休との関わりでの長次郎の茶碗は見ておきたかったので出向いた。確かに厳かな気分に少しは浸ることが出来たのかも知れない。今日まで十五代続いているそうです。
ところで初代眞葛香山は天衣無縫で独創性に富んでいてくり返し言うけど凄いの一言。比較は少し違うかもしれないが「楽茶碗」の静に対し眞葛香山には動を感じた。
眞葛香山は1916年75歳で没し、三代まで続くも1945年5月29日横浜大空襲で三代目、家族も死去しその命脈を断たれたという。方や十五代、方や三代。初代が凄すぎたのかもしれない。
調べてみたら鎌倉 吉兆庵美術館で
「眞葛香山展−京都から横浜へ−」
平成19年1月16日まで行われている。

スタッフ:SEN