早すぎる引退は美しい?
昨日の有馬記念で無冠の三冠馬・ディープインパクトが見事に有終の美を飾りました。普段競馬には関心のない私でさえ、思わずテレビをつけてしまったほど、ディープは社会現象の一つになりましたね。
それにしても、あの圧倒的な強さはすごい。後方から一気にトップに出るスピードは、武豊騎手が「飛ぶ」と表現したそのままでした。
そのディープインパクトが昨日のレースを最後に引退しました。あの走りを見ていたら、誰だってまだまだやれると思うのにも関わらず…。
日本の美意識の一つに“潔さ”があります。最後をきれいに飾ることが善しとされる。桜が日本人に愛されるのは、散り際が潔いからだとも言われています。
しかし、一方では最後の最後までねばり強くがんばることがいいとされる考え方もあります。たとえばサッカーでいえば、中田英寿が前者で、三浦知良が後者といえるでしょうか。
一般的に日本人は潔く引退するほうを賞賛します。それは一見かっこいいかもしれませんが、ねばり強く最後までやりきることもかっこいいに違いありません。ぼろぼろになって、惨めな姿をさらしたとしても…。
美意識は国民性や文化の一つなので、なかなか変えることは難しいかもしれません。しかしもう一つの“美”の姿を見ることも、視野を広げるのには、いいことではないでしょうか。
スタッフ:MORI