和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

美学

価値観の多様化とはよく言われる言葉です。しかし、そのような価値観を一律に測る社会的な物差しがあります。それはお金。もちろんお金に換算できないものはたくさんありますが、一応貨幣経済の原理にしたがえば、みんなが欲しがるものや希少価値のあるものは、高値がつき、価値があるとみなされます。

損をしたとか、得をしたとかいうのも、主にお金について言われる言葉ですよね。

しかし、どうしてもその“お金の原理”になじまない価値観があります。それは「美学」です。よく“男の美学”とか“○○の美学”とかいうときのあの美学です。損か得かではなく、美しいか美しくないかで物事を判断するという極めて非論理的な価値観ですね。

でもこの美学も、私はときには悪くない気がするのです。だって、最近頻発しているいろんな事件などを見ていると、“あさましい”ものが多すぎるような気がしますからね。そこには得すれば何をしてもいいという、功利主義だけが働いていて、美学はまったくありません。

美学ばかりでも困りものですが(価値観がバラバラになる可能性がありますからね)、世の中、少しこの非論理的な美学を信望する人が増えてもいいと思いますよ。そういえば昔の頑固オヤジ、あれは美学を持った典型的な人物かもしれませんね。

『和楽多屋』も、もちろんECショップとしてグッズを販売していますが、必ずしも“儲け”だけを追求しているわけではありません。大げさな言い方かもしれませんが、伝統工芸などを見直していただくことや、“和”と親しむことに少しでも力になれたら、との思いもあります。これらはお金の価値以外の価値です。そういう意味では我が『和楽多屋』も“頑固オヤジ”なのかもしれませんね(^^;

和楽多屋スタッフ:MORI