和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

マニア映画

先日、DVDで『ゴッド・ディーバ』という映画を観ました。あまりメジャーな映画ではないので、ご存知ない方も多いとは思いますが、近未来のニューヨークを描いたSF映画です。

SF映画というと『スターウォーズ』などのハリウッド映画を思い浮かべる人も多いでしょうが、これはフランス映画なのです。そのせいか、内容は理屈っぽい哲学的な雰囲気のもので、ハリウッド映画のようなエンターテイメント性は極めて希薄でした。

どうもあまりメジャーなものには心引かれず、こういうマイナーな映画にばかり関心が向くので困ったものです(^^;

この映画に関心をもつのは、非常にマニアックな人に違いありません。“オタク”と言ってもいいかもしれません。

しかし、この映画の監督であるエンキ・バレルの描く世界に触発されて『ブレードランナー』や『マトリックス』などのメジャー映画が誕生しているのです。これらの映画はもう“マニア映画”でも“オタク映画”でもないでしょう。

マニアとは“熱狂”という意味。つまり情熱です。それはちょっと濃すぎるために、社会に希釈されてはじめて口当たりのいいメジャーになれるのでしょう。カルピスの原液はそのままではとても飲めないけれど、水に溶かすとおいしいように…。

間違いかもしれませんが、私はふと『和楽多屋』で扱っている「眞葛香山」を思い浮かべました。彼の作品も非常に濃い情熱に支えられたもので、好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思います。そのあまりにリアリスティックな表現は、ある意味、グロテスクとさえ思えます。しかし人の感情を揺さぶることは間違いありません。

今後も私自身は、このような作品や人物に注目していきたいと思っています。

和楽多屋スタッフ:MORI