和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

埴輪の日?

今日、8月28日は何の日でしょう? 語呂合わせだと「はにわ」つまり、「埴輪の日」かなと思ったら、民放テレビスタートの日、バイオリンの日、気象予報士の日、ということでした(^^;

でも、「埴輪の日」を思い浮かべてしまうと、シンプルなあの埴輪の顔が、どうしても頭から離れてなくなってしまうんですよね。

埴輪にはいろいろな種類がありますが、人の形、しかも甲冑をつけた兵士の埴輪の顔も、あの表情です。妙に優しくてあどけない…。戦う人のはずなのに不思議です。

縄文土器であれほどの情熱を見せた日本人が、弥生、古墳時代になるとおとなしく、感情を押し殺したようなシンプルな意匠になっていきます。それは何故なのでしょう?

関係ないとは思いますが、能面にもそういうところがあって、無表情はあらゆる表情を内包しているのかもしれません。そういう意味では、埴輪の穏やかな顔の裏には、実は激しい感情があふれているのでは…。

そういえば、昔の大映映画に『大魔神』というのがありました。あれは普段は埴輪の顔をした神様が、悪人を懲らしめるときは、憤怒の表情に変わるというものでした。激しい感情をそのまま表現すると、激しい感情しか表現できません。しかしシンプルに表現すると、そこにあらゆる感情を見る側が読み取ることができるのかもしれません。それは日本の美に対する一つの「かたち」であるような気がするのですが、いかがですか?

和楽多屋スタッフ:MORI