和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

食べ歩き

趣味にもいろいろありますが、何かを集めるもの、作るもの、見るもの…などなど、それぞれに楽しみがあるわけです。

でもそのひとつに、食べ歩きというものもあります。食べることは、人間の基本的な欲求ですから、趣味とは言えないのではないか、とも言えますが、山本益弘さんが東京のレストランを評価した本を出した頃から、ただ食べるだけではなくて、美味しいものを食べることが趣味のひとつとして認知されてきたように思います。

一言に食べ歩きといっても、とにかくおいしいものを探して食べ歩くものから、値段は安くて気取らずうまいというB級グルメやラーメンやケーキなど、特定のメニューに限って食べ歩くマニアックなものまでいろいろあります。マニアックなものはやはり男に多いようで、お蕎麦なんかは、それが高じて道具を買い込んで自分で打ち始める人や、ラーメンなんかは自分で商売を始めてしまう人さえいるそうですから驚きです(^^;

まあ、自分で楽しみに食べ歩いている分には結構なんですが、どうしても趣味ということで追求していくと、その店の評価をしたくなるのですね。でも、そこまでは問題ない。それ以上、たとえばその評価をインターネットの掲示板とかに書き込み始めると、ちょっといろいろ問題が生じてくるようです。

つまり評価がいきすぎてその店の中傷とかになってしまうケースもあるらしい…。口コミで済んでいるいる分にはまだかわいいものと言えるかもしれませんが、ネットの場合、もう“マスコミ”とも言えるわけですよね。

食べ歩きする人は、本当は分かっているわけです。自分の評価はあくまで自分の評価に過ぎないことを。そしてそれを公表する自由も、もちろんあります。しかし、公表する責任も、もう少し考えないといけない時代になっているような気がします。

本来は自由にものを言うことができるのがいいのです。私も食べ歩きは好きですから、いろんな店に行っていろんなものを食べて、いろんなことを仲間には言っています。でも、仲間は私の評価はひとつの評価であることをちゃんとわきまえていますし、自分が食べればまた違う評価になることを知っています。その上でお互い言いたいことを言い合っているわけなんですね。食べ歩きって味を楽しむ以外にも、そういう意見の交換みたいなことが、結構楽しかったりするのですから…。

和楽多屋スタッフ:MORI