和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

「月刊美術」3月号に『型染版画 伊藤紘』が紹介されました。

「月刊美術」(実業之日本社)の3月号、[気になる本]のコーナーに、『型染版画 伊藤紘』が紹介されました。

紹介文の中には「作品の多くに、美しい手わざによる絵文字が氾濫。日本の文字が、それが意味するコンテンツである同時に、いやそれ以上にオブジェクト(絵)でもあることに改めて気づかされる。」とあり、実に的を射た言葉だと感心しました。

日本の文字は、象形文字である漢字、さらにそれを変形させた仮名から成り立っているわけで、ルーツは、その言葉が表す“絵”から発生していることは間違いありません。それが文字として抽象化され、記号として文字の役割を果たしているわけです。

伊藤先生の作品のテーマの多くは、その記号化された文字を、再び原初の絵(オブジェクト)に戻してみるとどうなるかという試みだと、私は思います。

そこに見えてくるものは、日本の文字の秘めたる美しさ、単なる記号ではなく、その背後に長年の文化の営みを感じるわけです。副題の“日本のこころ”とは、まさにそのことを指しているに違いありません。

和楽多屋 型染版画
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和楽多屋スタッフ:MORI