和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

信楽焼の魅力


信楽焼といえば、どうしても狸の置物のイメージが強いのですが、実際、信楽焼で狸が焼かれたのは、明治時代ということで、その歴史はまだ新しいのです。
信楽焼の狸が全国に知られるようになったのは、さらに新しく、昭和天皇が太平洋戦争が終わり、全国を巡幸したとき旧信楽町を訪れ、沿道に並んだ信楽焼の狸をご覧になって、こういう歌を詠まれました。
「をさなき日 あつめしからに なつかしも 信楽焼の 狸を見れば」
昭和天皇は、幼い頃、狸グッズを集めていらっしゃったのですね。
いかにも愛らしく、縁起の良い狸(「他を抜く」という意味らしいです)ではありますが、信楽焼は、焼き物そのものとしても、たいへん奥行きの深い魅力たっぷりな焼き物だと思います。
有田焼のような繊細な美しさもいいのですが、信楽焼の“暖かさ”“親しみやすさ”も、もう一つの焼き物の美しさだと思います。
陶土そのものから現れる「火色」や焼くときの灰かぶりによる「自然降灰釉」、さらに「焦げ」など、すべて人間の作為がおよばない自然の為せる技ともいうべき美しさです。
いくら見ても見飽きない魅力が、信楽焼にはありますね。
信楽焼の魅力に触れたい方はこちらから…http://www.warakutaya.com/sgigaraki.html