和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

四字熟語「獅子搏兎」と「志士は溝壑(こうがく)にあるを忘れず」

三鷹市にお住まいのHさんから、27年版の四字熟語カレンダーの内容で気づかれた間違いなどのご指摘と、再来年の編集に役立てばとのご意見を頂きました。
さらに、身に余るお褒めの言葉も頂き制作スタッフ一同、感謝の気持ちでいっぱいです。

そのお手紙の内容に「これは凄い」と感じましたので、勝手ながらその一部を抜粋ここに掲載させていただきました。
(Hさんからのお手紙の抜粋です。)
「365ページの各葉から「獅子搏兎」の気概をもって、仮令易しい事にも全力をあげて努めておられる各位の真摯なご姿勢が目に浮かんで参ります。
各位は「志士は溝壑に在るを忘れず」の壮烈なお志を抱き制作にあたっておられるのであろう、と拝察申し上げております。
願わくは、貴カレンダーが人々に更に多く普及し、漢字の学習に止まらず「人生の糧」として役立って頂きたいものです。
鵬程万里、貴社の世のため人のためのご事業がさらに実りあるものに成長されることをお祈りいたします。」

と、ありました。
理解力が足りないのでネットなどでもしらべ確認させてもらいました。
●「獅子搏兎」(ししはくと)何事にも全力を尽くすこと。
(ライオンがウサギを追うのにも妥協しないことから)という意味。
●「志士は溝壑(こうがく)にあるを忘れず」
これは、孟子の中に出てくる言葉で、吉田松陰が書いた「孔孟箚記」第十七場 八月二十一日 滕文公下 に出てくるそうです。
訳文:
志士は道議のためならば窮死してその屍を溝や谷に棄てられてもよいと覚悟しており、勇士は君国のためならば、いつ首をとられてもよいと思っている。
書物を読むに当たって肝要なことは、以上のような語を反復熟思して身につけることである。
志士とは、高い理想を持ちいかなる境遇になろうともその節操を変えない人物のことである。節操を守る人物は、困窮に陥ることはもちろん、覚悟の前であって、いつ飢えて溝や谷に転げこんで死んでもよいとの覚悟を忘れぬものであり、勇士は戦場で戦死することが、もちろん希望であるから、いつ首を取られても問題にせぬという一念を、常に忘れぬものである。  「孔孟箚記」 講談社学術文庫より

「獅子搏兎」(ししはくと)さらに「志士は溝壑に在るを忘れず」(ししはこうがくに……)なんと文章に出てくる言葉に「しし」がどちらにもあります。
このことにビックリ、凄いなと思いました。このような方にこの「日めくり四字熟語カレンダー」がお役にたっていると思うと、大変な喜びであると同時に自分ももっといろいろ学びたいという思いを強くしました。