和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

6月になると鮎の友釣りが解禁になりますね。釣りとしての鮎もいいのですが、やはり鮎は食べるのがうまい(^^ これから夏にかけて鮎は旬を迎えます。

鮎は実に日本的な魚で、「鮎」の字も国字。つまり日本で作られた文字なんですね。「日本書紀」や「筑前国風土記」の神功皇后の故事によれば、朝鮮半島新羅への遠征のとき、皇后は裳の糸につけた針に米粒を餌にして、「新羅遠征が成功するならば、魚がかかるだろう」と祈って糸を垂れたところ、鮎がかかったといいます。そこでまず「占魚」と書かれ、さらに一字にして鮎という字がつくられたということです。

かつて鮎は高級魚でしたが、今や養殖がさかんになり誰でも手軽に口に出来るようになりました。しかしやはり天然物のほうが、香りが全然違うようです。鮎は「香魚」ともいわれ、香りは味を左右する大切な要素です。

鮎の料理は何といっても塩焼きで、その場合は網を使わずに串を打って焼くこと。身を崩さずきれいに焼けます。新鮮であればそのままでおいしいのですが、食通はタデ酢(蓼の葉をすって酢に混ぜたもの)で食べるといいます。なかなか粋な食べ方ですね。


こちらは鮎ではなく、「ごり」です。


和楽多屋スタッフ:MORI