和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

高岡銅器

陶器に比べ、金属器はどうしても“冷たさ”というイメージがつきまとうものです。しかし、そんな金属器の中でも、銅器は例外だと思うのは私だけでしょうか。
そういえば、人や仏をかたどった像は銅で製作されます。親しみやすさ、暖かさを表現するには、金属の中では銅以外においては考えられないに違いありません。その銅器の生産額の約95%を占める「高岡銅器」。
歴史は古く、加賀藩主の前田利長高岡城へ入城した1609年にまでさかのぼります。利長は高岡の町の繁栄を図るため、森弥右衛門ほか7人の鋳造師を現在の高岡市金屋町に呼び寄せます。最初は鉄器を作っていたようですが、しだいに銅器生産に移行していったといいます。
それだけの歴史と伝統を踏まえた技で作り上げられる銅器、特に美術品は、実にリアルで、たとえば人でも動物でも、息づかいまで聞こえてくるようです。
銅は鉄よりもはるかに早くから人間に親しまれてきた金属です。その生命力ともいうべきパワーは、高岡銅器の美術品となったとき、改めて私たちにその迫力を伝えてきます。

●銅器ではありませんが培われた高岡銅器の職人の技が高村光雲翁の繊細な作品を忠実に再現した貴重な銀の作品があります。

高岡銅器高村光雲翁の銀の作品をご覧になりたい方はこちらから…http://www.warakutaya.com/takaokacopperwre.html