和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

日本人特有の島国気質について

日本人野球選手のメジャー移籍話が取りざたされていますが60億円という数字には皆様もさぞかし驚かれたのではないでしょうか。もし移籍して早々松坂投手が故障してしまったらレッドソックスの60億円+年俸分のお金が水泡と化すわけで・・・そんなに出して大丈夫なの?とか余計なお世話で考えてしまいますよね。しかしながらこういったクラブチームが巨額の資金を投入する移籍話というのはメジャーリーグに限った事ではなく欧州サッカーなどでも日常的によく見られるケースのようです。南米のサッカークラブなどは有望な選手を育成し、その選手を欧州クラブが巨額な移籍金で買い取る事でクラブ運営資金をまかなっていると聞いた事があります。こういうケースは日本人の感覚としてはどうしても人身売買のようなイメージで捉えがちですが、欧米諸国ではその辺はキッチリ割り切っているように思います。日本野球の場合ですとFA制度が導入されて久しいですがそれでもまだ主力選手が他球団へ移籍する事に抵抗感を持つ人は多いのではないでしょうか。主戦級選手同士の大型トレードなども滅多に見られませんよね。もしかしたらそういった感覚というのは日本人独特の感じ方なのかもしれません。島国気質とでも言うのでしょうか。その辺の事を少し考えてみたいと思います。今でこそ交通の便が発達し容易に海外に渡航できる世の中になりましたが周囲を海に囲まれた日本は逃げ場が無く、最初に世話になった所には多少の不平不満が有っても留まるような処世術が自然と身についているような気がするのです。良い条件で他にスカウトされ移籍するのは恩を忘れる薄情者だという感情がどこかにあるのかもしれません。そういった点で欧米や大陸国の人達はその辺の感情をハッキリとドライに割り切っていますよね。おそらく大陸の人達は逆に自己主張して自己を通さないと生き延びられない環境が有ったのではないでしょうか。正義と悪はっきりと白黒つける傾向はハリウッド映画にも見られますよね。二つの性質を単純な言葉に置き換えると自己主張と協調性って事なのでしょうか。よく日本人は自己主張が下手で、もってまわった言い方をするから何を考えてるのか分からないという言葉を耳にしませんか?余計な軋轢を生まない為にはっきり拒否否定しない日本人特有の性質がそう思われる原因のように思います。これは色彩感覚の好みにもあらわれていますよね。日本の伝統色は基本的に淡い色合いや主張しない色を好む傾向に有るように思います。その点欧米はもちろん日本が一番大きく文化で影響を受けたと思われる中国などもハッキリとした色合いを好む傾向が有り、その辺がやはりはっきり自己主張する大陸の人達と調和を優先させる島国民族の違いとなってあらわれているように思うのです。

スタッフ:S.K