和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

プロとアマ

昨日の記事では、真のプロフェッショナルとして、伊藤紘氏の話題が出ましたが、最近よくプロとアマの差がなくなってきたと言われることもあります。アマチュアの方でもプロ並みの知識や技をお持ちの方が増えたことによるのでしょう。また、アマチュアのスレていない感覚がかえって新鮮に見えるということもあると思います。

確かにパソコンの浸透などで、技術的なことは機械にお任せで、感覚だけで勝負できる時代が来ています。今まで映画を作ろうとすればたいへんな費用と人員が必要だったのが、デジタルムービーとパソコンの編集ソフトで簡単にできたり、放送局にしかできなかった情報発信が、インターネットのホームページで個人でも簡単にできるようになりました。

しかし、これにはマイナス面もあって、精巧なプリンターのおかげで偽札が出回ったり、情報発信があまりにも簡単なゆえに、インターネットでデマや中傷記事が流れたりするのは困ったものですが…

では、本当にプロとアマの差はなくなったのでしょうか。その道でお金をもらっているのがプロというわけですが、それだけになかなかアマくもないのがプロの世界。一発屋なら感覚だけで済みますが、継続的にそれなりのレベルを維持しようと思えば、冷静で的確な“計算”が必要ですよね。かつて作家の三島由紀夫が、プロとアマの差は、どれだけ細かな部分に神経を行き届かせることができるかだ、というようなことを書いていました。なるほどなと思いました。細部への計算がしっかりでき、しかもたえず新鮮な感覚を持ち続ける、それが真のプロフェッショナルだと思います。

和楽多屋スタッフ:MORI