和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

もし東京が江戸だったら…

和楽多屋は「和」を追求していますが、どうも「和」=“古くさい”という図式が成り立つことが多いようですね。

たとえば「東京」という地名。もちろんこれは明治以前は「江戸」だったわけですが、「江戸」と聞くだけで和風のイメージと同時に、時代劇を連想するせいでしょうか“古くさい”というイメージがしてしまいます…。

「東京」という名称は、明治元年に始まったわけですが、東の京、つまり“東にある京都”という意味で付けられたそうですね。当時の明治政府は京都の公家たちの反発を考慮して、とりあえず江戸も都であると宣言したということです。

地名はその土地の歴史や文化を表していることが多いですよね。たとえば東京でも現在はなくなってしまった地名がいろいろありますが、現在の文京区にあった「菊坂町」は菊を栽培する畑が多かったからだとか、現在の西麻布から六本木にあった「霞町」はその土地の氏神である霞山稲荷(現在の桜田神社)とか。どれも風情があり、少し古くさいイメージがあるかもしれませんが、そこに住む人が愛着を持てるようないい名前だと思います。

それをいつの頃からか、お役人の“合理性”一辺倒の理論によって一番有名な地名に東西南北を付けたりする、一見スマートですが無味乾燥な名前が多くなってしまいました。確かに郵便配達の方には便利かもしれませんが(^^;

ところでもし現在、東京が江戸という地名だったらどうだったのでしょう。もしかしたら、もう少し風情のある街になっていたかもしれませんね。そして、「和」=“かっこいい”というイメージになっていたかもしれませんよ。(でも「江戸都」は発音しにくいなあ(^^;)

和楽多屋スタッフ:MORI