和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

江戸手拭(てぬぐい)その技法。そしてビックリ。

先日、和楽多屋のお取り引き企業さまからPR誌の読者プレゼントに作家さんのオリジナル風呂敷の制作見積もりの依頼を受けました。
この時は、予算、数量などの関係で風呂敷としては実現できませんでした。

その後、それを手拭にした場合は予算、数量など、どう変わってくるかと再度見積もり依頼をうけました。

そこで一昨日、以前から江戸手拭についてお話を伺ったこともあるT社(明治5年創業)をスタッフのMORIと一緒に訪ねました。


T社の社長との様々な打合せのなかで私の勉強不足なんですが驚いたことがあります。
それは、江戸手拭の形(型)紙が伊勢型紙で作られるということ、下図を描き、型紙に貼る、型彫り、下図をはがし、カシューを溶き、紗張りして版の完成。

なんと、ここまでの行程は和楽多屋で扱う伊藤紘先生の「型染版画」と同じではないか。
知らなかった、気がつかなかった。

当然、型染版画と手拭では以下の点でその違いがあります。
型染版画の場合はすべての行程を作家がひとりで行います。江戸手拭はそれらの行程を昔から、現在でも分業で行っているということ。

その後の技法にも型染版画は和紙に絵具を刷り込みなど、細かい部分も作家の意向が作品に反映されます。それに対し、手拭は布に染料を注いで染める染色方法のため当然、細すぎる線の表現が難しくなりますので型は作りかえます。

最後にT社の社長は最近、手拭が若い人にも注目されていること。手拭は使ってこそ、その良さが分るものなのだということ言っておられました。


型染版画その行程を知りたい方は下記URLからどうぞ。
http://www.warakutaya.com/katazomehanga.html

和楽多屋スタッフ: SEN