和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

日本のかたちを彫る。文字を染める。

大切にしたい日本のかたち──伊藤紘氏の全面的なご協力をいただき、当サイトにて氏の作品をご紹介することができました。

我々の生活の中に溢れる文字。我々は空気を意識して呼吸をしている訳ではありません。同様に私たちは文字に対して、あまりにもあたりまえに接しております。
熟練の手仕事による氏の型染版画は私たちすべてがもう一度、主体的に自分の眼で確かめ、肌で感じるべきものだということを思いおこさせてくれます。
ともすれば日本人自身が忘れかけていた「日本のかたち」「文字たち」が現代に甦ります。そしてそれは必ず未来へつながるものだと考えております。このことは伊藤氏のお話の中からも大変熱い思いが伝わってきます。

並々ならぬ文字への愛情。いままで、ここまで文字と向き合った作家がいただろうか。
私の大好きな作家に人間国宝の芹沢けい介さんがおりましたが、伊藤紘氏はそれとは違った作品表現と手法による型染版画の新しい世界を創りあげたといっても過言ではありません。氏のような作家はこれから現れることがないかもしれない。失礼を顧みず言えば私には氏の文字へ愛情は「狂気」とも思えるほどです。

日本の財産ともいえる伊藤紘氏の作品を紹介できることは「和楽多屋」にとって大変意義あることであると同時に、ご一緒に仕事ができることに感謝の気持ちでいっぱいです。

当方での作品の紹介はホンの一部に過ぎません。知れば知る程にその素晴らしさ、奥の深さを実感しております。
「日本のかたち」を見つめ続けたいという氏の思いはこれからもなお続きます。
ネットでの紹介のほか今後、様々な氏の活動状況などもお伝えしていく予定でおります。

型染版画
http://www.warakutaya.com/katazomehanga.html

※ 芹沢けい介さんの「けい」の字は正しくは金偏に圭です。
和楽多屋スタッフ:SEN