“伐折羅”って何?
ここのところ何回か記事にさせていただいていますが、「十二神将童子 伐折羅童子(ばさらどうじ)」について書かせていただきます。
今回はちょっとアカデミックに“伐折羅”とはいったい何かということについて…。
商品ページ(http://www.warakutaya.com/yabuuchi.html)に少し解説はありますが、“伐折羅”とは十二神将のお一人で、勢至菩薩を本地とする丑の刻の守護神。勢至菩薩とはあまり聞き慣れない菩薩様かもしれませんが、阿弥陀三尊の右脇侍で、観音菩薩が慈悲で救うなら、勢至菩薩は智恵で救う菩薩様です。つまり“伐折羅”はその勢至菩薩が化身したお姿なのです。
十二神将は薬師如来を守ります。それぞれのお名前を見れば、聞き慣れたものもあるはず、たとえば宮毘羅大将は金毘羅(こんぴら)様ですし、因達羅大将は寅さんで有名な帝釈天なんですね。
“伐折羅”とだけ聞くと何やら縁遠いような気もしますが、こうしていろいろ調べてみると、意外と親近感がわいてくるものですね。
籔内さんの作品は勇ましくもかわいい童子の姿ですが、本来の“伐折羅”は侍なのでいかめしいお姿。これくらい恐ろしい姿でないと、きっと仏様を守れないのでしょう。
実は伐折羅は切手にもなっています。
伐折羅(ばさら)(1956年9月20日発売)
奈良県奈良市高畑町 新薬師寺 天平末期の塑像 像高約160センチメートル
和楽多屋スタッフ:MORI