和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

観音様とマリア様

宗教の話は難しい。それは人それぞれ信じるものは自由で、仏様の話はキリスト教の方にはピンと来ないでしょうし、その逆もまたその通りです。真実は一つと言ったって、宗教の数は星の数ほどあるわけですから、真実もまたその数だけありそうな気もします。

しかし日本において、神社やお寺はその歴史が極めて古く、宗教というより、「文化」として根付いているように思います。

たとえば下の型染版画に描かれた観音様。仏教は本来お釈迦様の教えですが、観音菩薩に親しみを持ち、寺院にお参りすることが一つの生活習慣になっている方は大勢いらっしゃいます。ちょうどキリスト教でいえば、マリア様を信仰することが珍しくないのと同じなのではないでしょうか。

厳格な教えではなく、庶民が親しみをもって信仰の対象とするもの。それは観音様もマリア様も、同じようにやさしい表情をされているのが共通点のような気がします。それで日々の生活が癒され、明日への活力が得られるのであれば、それもまた一つの真実であるような気がします。


観音経(伊藤紘作)

和楽多屋スタッフ:MORI