和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

コメント力

ニュース番組でもワイドショーでも、よくコメンテーターなる人物が出てきます。多くはジャーナリストや専門家ですが、最近ではタレントなんかも起用されて、もっともらしい意見を言っていますよね。

物事に対してコメントするというのは、大切なことだと思います。自分の意見や立場をはっきりさせることですから。“ノーコメント”というのもありますが、それはコメントがないのではなくて、あえてコメントをしないというコメントなわけです。

コメントは誰でもができることです。しかし、一応テレビに登場してコメントを披露する人の場合は、その力量を問われて当然でしょう。

私がいつも感心するコメントをしてくれる人物にスーパーニュースの木村太郎氏がいます。彼のコメントはいつも非常に冷静で、的確です。そしていつも一般人が見逃しそうになる視点から物事を捉えればどうなるかというスタンスでコメントされています。

たとえば話題になっているハンバーガーチェーンの一部賞味切れ材料の使用問題に関し、ただ感情論でけしからんと言ったり、食品メーカーとして衿を正すべきだなどという“もっとも論”ではなく、その会社がいったい何を売ってきたのか、たとえ食品衛生法に違反していなくても、法律以上の厳格なルールを守ってきて、その信頼を売ってきたはずなのに、それを崩してしまった。この問題は社会的責任の問題もあるが、同時にその会社自体の姿勢を、もう一度会社の中で問われるべきだとコメントしていました。なるほどと思いました。

ただ横に座っているだけのように見えますが、彼の存在があってこそ、あのニュース番組はぐっと重みを増すのだと思います。

和楽多屋スタッフ:MORI