お水取りが待ち遠しい…
毎年、奈良の東大寺では3月になれば、「修二会(しゅにえ)」と呼ばれる行事が行われます。と言ってもピンと来ないかもしれませんね。一般にはその中で3月12日に行われる“お水取り”で知られていますよね。
この行事は、天平勝宝4年(752年)、東大寺開山良弁僧正の高弟、実忠和尚によってはじめられたということですから、1250年以上続けられているわけですから、すごいですね。
本来「修二会」は、観音様に祈りを捧げ、人々に代わって懺悔の行を勤める法要だそうです。そして“お水取り”は若狭井という井戸から観音様にお供えする水を汲み上げる儀式ですが、その行を勤めるお坊様の道明かりに非常に大きな松明をともすことで有名です。
そしてもう一つ、昔から言われていることは、この“お水取り”が終われば本格的な春がやってくるということ…。一般の人に知られているのはむしろこちらのほうかもしれません。ですから寒い冬、春を待つ気持ちは“お水取り”を待つ気持ちと重なっていたのです。
本来の行事の意味とは離れてしまうようですが、それくらいは観音様ならお許しになるのではないでしょうか(^^
和楽多屋スタッフ:MORI