和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

ここには日本の文化が詰まっている

「ここには日本の文化が詰まっている」
この言葉は『型染版画』のために考えたキャッチフレーズではありません。先日東京デザイン専門学校で行われた展覧会に来ていらっしゃったお客様の一人がそう感想を述べられたそうなのです。

なるほど。

伊藤先生の型染版画の作品は、まさにその通りです。
まず、技法は“型染め”という日本の伝統的な染色技術が駆使されている。そしてモチーフは日本の文学や道具や生活など、数々の日本文化からとられている。その両方があって、我々が先生の作品を鑑賞するとき、深く自国の文化に思いをはせることができるのですね。

灯台もと暗しと言いますが、あまりにも身近な故に、まるで空気のように文化を呼吸して生きています。そして他国の文化は、その異質性が故に刺激的で、甘く強烈に意識されます。

でも、その空気のような文化こそ、自分たちの根幹をなすものに違いありません。普段意識しないだけで、日本のDNAにまで刻み込まれた日本文化こそ、今一度深く考え直す時期なのではないでしょうか。


型染版画〜日本のかたち〜

和楽多屋スタッフ:MORI