和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

盗作

先日ニュースで中国の遊園地で、ディズニーや日本のドラえもんやキティちゃんっぽい(?)キャラクターを使っているのが話題になっていました。もちろん許可をとっての使用ではなくて、コピー、つまり盗作です。

中国はコピー天国だといわれますが、欧米に比べ、日本でもかつては目に見えない権利である“著作権”はとかく軽んじてこられたように感じます。そういう意味では、今、あちこちで著作権が重要視されるのはいいことですよね。それは大賛成です。

しかし、本来どういうものに著作権があって、どういうものが盗作なのでしょうか。よく考えてみれば、まったくのオリジナルなんてありえないわけで、どんな芸術作品でも、先人の遺産の上に成り立っているのです。あの全く独創的なピカソキュビズムの絵も、セザンヌの“見たままではなく、幾何学的な形として捉え直す手法”がベースになっているわけです。

日本の和歌の世界にも“本歌取り”なんて手法がありますよね。それにパロディーや物まねなんて分野もあります。これらは盗作とどう違うのでしょうか?

要はどれだけその作品に新しい価値があるかどうかだと思うんですね。もちろん元の作品に対する尊敬の念というのは大切で、だからこそ、そこから自分なりに昇華し、さらに発展した作品を作ることが大切だと思うのです。そこに著作権も存在するのだと思います。だからその作品の価値を見つけようとせずに、些末な引用部分だけで、盗作かどうかを云々するのはいかがなものでしょう。あなたはどうお考えですか?

和楽多屋スタッフ:MORI