和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

私は誰? ここはどこ?

みんなきちんと行列しているのに、一人だけ行列の順番を考えず、とんでもない所で並んでいるおじさん、歩道を友達同士横並びで歩いて後ろから急いでいる人のじゃまになっている学生、スーパーのレジで後ろがつかえているにもかかわらず小銭を財布の中から取り出すのにやたら時間がかかっているおばさん…。よく見かける風景で、芸人のあるあるネタにもなりそうですね。

これらの人々は簡単に言ってしまえば自分勝手、まわりの人達に思いやりのない人々です。自分のことしか見えてなくて、周囲への配慮にかける人。つまり、「全体観・大局観」のない人ではないでしょうか。周りとの関係性の中の自分の位置付け、あるいは時系列的な位置付けを見極める力(今まではこうだったけど、これからはこう展開するはずだという判断力)…最近これが欠けている人が多いように感じます。

でも、これって確かに難しいですよね。宇宙へ出かけた宇宙飛行士が地球を眺め、何か大きな視点を得て清々しい気持ちで帰ってくるように、一度天のかなたへでも出かけないと無理かもしれません。最近始まったテレビドラマで『パパとムスメの7日間』というのがあり、あるきっかけで父親と娘の人格が入れ替わってしまうというお話なんですが、今までまったく会話がなかった二人が、お互いの立場を知ることによって和解していきます。まあ、ドラマだからできるファンタジーですが、現実の世の中でも、相手の立場に立って考えることはとても大切なことです。

自分を違う視点から眺めてみること、客観視することは本当に難しい。だから何かをするときにはいつも少し冷静になって、自分の位置付けをもう一度考え直してみるのを習慣にしてみてはいかがでしょうか。「私は誰? ここはどこ?」というふうに…。

和楽多屋スタッフ:MORI