和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

まかない

いくらグルメで、さまざまなレストランを食べ歩いていても、そうそう食べられないのが「まかない」、つまりレストランなどの厨房で料理人達が普段食べる料理ではないでしょうか。表のメニューには乗っていないどころか、そもそもお客さんに食べさせる料理ではないのですから。

しかし、食べられないとなると食べたくなるというのが人情。実際、そのまかないだけを取材した雑誌の記事や本が好評を得たり、最近ではテレビでも紹介されたりするわけです。

プロがプロのために作る料理…そう聞くとやっぱりあこがれてしまいますよね。しかも、時間も手間も最小限に切りつめながら完成させるプロの技なんて話を聞いてしまった日には…。

しかし、よく考えてみれば、新人の調理師の練習にしているところも多いわけだし、そうそう毎回毎回おいしいはずがないとも思うんですが(悔し紛れ?)。

まあ、それはともかく「まかない」という言葉が“まかなう”つまり「切り盛りする」という意味を含んでいて、あるだけのもので何とか整える、用意するという意味があるはずです。そこには、知恵がなければなりません。何でも使えるとすれば誰でもできるわけで、ないところから知恵を絞り出して、結果的にすばらしいものになったという話はたくさんあります。

料理のまかないは一般人には作れないし、食べることもできないかもしれませんが、知恵のまかないなら、誰もが工夫すべきものです。仕事でも、家事でも、趣味の世界でも、それぞれの「まかない」が人をその道のプロにさせるのではないでしょうか。

和楽多屋スタッフ:MORI