毒と薬
会社帰りにちょっと一杯…。昔なら中年オヤジの専売特許だったこんな飲み方が、女性の間でも密かなブームになっているようですね。決して深酒はせずに、気の利いた肴でビールやお酒を1、2杯飲んだらさっと帰る…。そういう粋さと気軽さが受けているようです。
お酒もほどほどに飲めば“百薬の長”ですが、飲み過ぎると“命を削るカンナ”などという言葉もあります。
そもそも薬の成分もたくさん盛れば“毒”となるわけで、あのお肌の味方であるビタミンCでさえ、致死量というものがあるのだそうです(まあ、これはよほど大量の場合で、多少摂りすぎたからって大丈夫なのでご安心を)。
命を守る酸素も活性酸素となれば悪玉になり、一般に悪玉だといわれているコレステロールもまったくなくては人体はうまく機能しません。女性にもてる男性も、多少“ワル”のほうがよかったりね(^^
そして芸術も然り。全く毒のないホームドラマはエンターテイメントにはなるかも知れませんが、芸術にはなりえません。芸術には多少毒がある…、そのほうがいい場合が多いと思います。
しかし最近、人も芸術も、毒にも薬にもならないものが多い、と思うのは私だけでしょうか? もちろん、致死量の毒は困りますが、多少ピリピリしびれるくらいの毒があったほうが、かえっていいように思えます。
和楽多屋スタッフ:MORI